


支払基金では、この病院から請求されたレセプトが適正であるかどうかを審査したうえで、健康保険組合に診療報酬請求を行います。
健康保険組合は、事業主と従業員から納められた保険料により支払基金に診療報酬を払い込み、支払基金は、毎月一定の期日までに保険医療機関に診療報酬を支払います。
保険医療機関等の数は約228,000、保険者の数は約13,000、毎月、取り扱うレセプトの数は約7,000万件、1ヶ月の流れは次のようになっています。

このように、診療報酬は、病院、健康保険組合がそれぞれの請求・支払を個別に行うのではなく、健康保険組合から審査と支払を委託されている支払基金という公的な機関を通して適正に審査され、支払われています。
支払基金は、健康保険制度における診療報酬の「審査」及び「支払」について、保険者等の委託を受けて実施する審査支払の専門機関です。
審査の決定は、北海道から沖縄県まで47都道府県の各支部に設置された審査委員会が行います。審査委員会は、医師及び歯科医師の専門集団であり、保険医療機関などの所属団体による推薦を受けた診療担当者代表、健康保険組合などの所属団体の推薦を受けた保険者代表、そして学識経験者(注記)から委嘱したそれぞれ同数の審査委員による三者構成となっているので、診療側、保険者側に偏ることのない、公正な審査が制度的に担保されています。
また、各支部に提出された高額なレセプト(医科40万点以上など)の審査については、基金本部に設けられた特別審査委員会において集中的に審査を行っています。
(審査委員数) 約4,500人 (医科約3,700人・歯科約800人)
審査委員の審査と職員の審査事務により、限られた期間内に毎月請求される約7,000万件のレセプト全てについて審査や確認を実施することは、紙様式のレセプトでは困難であったため、これまでは一定の類型に属するレセプトに重点を置いた審査を実施していましたが、レセプト請求の電子化により、今後は、請求されたすべての電子レセプトについてコンピュータを活用したチェックを行い、本来の姿である「全レセプトの審査」の実施が可能となり、審査委員の審査は「人でなければできない審査」に限定して審査の充実を図ることとしています。
保険診療ルールは、さまざまな状態の患者に適切な医療を提供するという医療の性格上、「投薬は必要と認められる場合に行う。」とか医薬品の用法・用量の規定では「年齢・症状により適宜増減」が認められるなど、診療する医師等に一定の裁量を認めるものとなっています。個々の診療行為が保険診療ルールに適合しているか否かを確認する審査は、これら機械的に判断できないものも多いことから、個々の症例において医師等の専門家の目による医学的判断が必要となるのです。
支払基金の職員は、審査委員会の審査が効率的に行われるよう審査を補助し、支援する業務(審査事務)を行っています。
具体的には、審査委員会の審査に先立ち、事前にレセプトを点検して、保険診療ルールに適合していないと思われる項目にマークをして、それを審査委員が重点的にチェックすることで、審査委員がより医学的判断を要する審査に時間を振り向けることができ、審査の質の向上とともに審査委員の審査の負担の軽減にも貢献しています。
電子レセプトにおいては、コンピュータが網羅的にチェックした項目を職員が的確に審査事務を行うことにより、審査委員が効率的に審査を行うことができるのです。

基金の事務費手数料の設定は、基金法第26条において、「基金は、各保険者に、第15条第1項から第3項までに規定する業務に関する事務の執行に要する費用を、その提出する診療報酬請求書の数を基準として負担させるものとする。」と規定されており、毎年度政府予算に関連する単価として、厚生労働省から、翌年度の事務費単価が示され、支払基金は、この単価を基礎として予算編成作業を行い、理事会の議決を経て厚生労働大臣の認可を受けています。
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