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理事長あいさつ

社会保険診療報酬支払基金 理事長 神田 裕二

支払基金の使命

 支払基金は、約24万の病院・診療所・薬局から請求される診療報酬の明細書(レセプト)について「適正な審査」を行い、約1,500の医療保険者に費用を請求し、医療機関等に「迅速な支払」をすることを通じ、日本の医療保険制度を支えることを使命としています。1948年に設立され、70年間にわたり一貫してその役割を果たしてきました。

支払基金改革の取組

 支払基金は、医療保険者の委託を受け、その手数料で運営されていることから、これまでも、保険者からの業務効率化の要請を踏まえ、1991年からレセプトの電子化に取り組み、2001年以降医療機関が希望すれば、電子レセプトで請求できるようになり、その翌年からはコンピュータによる画面審査を始めました。2006年からはオンライン請求が始まり、2011年度にはオンライン請求が原則義務化され、今や、レセプトの98.5%は電子化されており、全国統一的なコンピュータチェックをかけることもできるようになりました。こうしたレセプトの電子化を踏まえ、2011年に「支払基金サービス向上計画」を策定し、ITを最大限活用し「より良いサービスをより安く」提供することを目指した取組を進めてきました。
 一方で、コンピュータチェックがかけられるようになったことが、各都道府県の支部において独自にそれまでの審査結果を踏まえたコンピュータチェックルールを設定することにつながり、それが、支部間の審査結果の不合理な差異の一因になっています。
 2017年7月には、規制改革会議での議論等を踏まえ、厚生労働省とともに「支払基金業務効率化・高度化計画」を、2018年3月には「審査支払機関改革における支払基金での今後の取組」を策定し、現在、次のような改革に取り組んでいます。

① 審査プロセスの効率化・高度化のための新しい審査支払システムの開発

 新しいシステムでは、AIを活用し、過去の審査結果等を機械学習させ、審査委員や職員が見るべきレセプトとコンピュータチェックだけで完結するレセプト等の振分機能を実装し、より高度な医学的な判断を必要とするレセプトに重点をおいた審査を行うようにします。

② 審査基準の統一化に向けたコンピュータチェックルールの整備等

 審査結果の不合理な差異を解消するため、新しいシステムの稼働に向けてこれまで各都道府県の支部が独自に設定した既存のコンピュータチェックルールを本部に集約する取組を進めています。

③ 支部の廃止等組織の見直し

 2019年5月に支払基金法の改正を含む健康保険法等の改正法が成立し、これまでの支部完結型の業務実施体制から、本部中心の全国統一的な業務実施体制に転換するため、次のような組織の見直しを行うこととなりました。

  •  審査委員会は、地域医療等の特性を踏まえた審査を行うため、引き続き各都道府県に設置されますが、2021年4月に、各都道府県に設置されていた支部は廃止し、体制を絞った審査事務局が審査委員の審査補助業務等を行うことにします。
  •  審査結果の不合理な差異の解消に向けた取組を加速化するため、職員がコンピュータを使って行うレセプト事務点検業務は、2021年9月に稼働する新しい審査支払システムの稼働状況等を見ながら、2022年以降順次、全国10か所程度の審査事務センターに集約します。

 支払基金としては、組織の見直しを始めとする法改正を本来の目的である審査結果の不合理な差異の解消等、審査の質の充実に結び付けていけるよう、しっかりと施行準備を進めてまいります。

適正なレセプトの提出に向けた医療機関等に対する支援

 審査は、医師等の専門職である審査委員が、ピアレビューとして、医師等が患者の状態に応じて適切な診療を提供できるよう、保険診療ルールに照らして、実際の臨床現場での診療がルールに則って妥当・適切に行われているかどうか、審査委員の専門的知識と臨床経験に基づき、医学的・薬学的に判断をするものです。このように、審査は、査定だけを目的としているものではなく、全国統一的な保険診療ルールを多様な臨床現場にあてはめ、両者の間を埋めながら、診療の妥当性を判断するという専門的かつ創造的な業務です。
 今回の法改正で、支払基金の業務運営に関する理念として、適正なレセプトの提出に向けた医療機関等に対する支援が位置づけられました。これを踏まえ、支払基金は、医療機関等から適正な請求をしていただけるよう、審査結果の理由の明確化やコンピュータチェックルールの公開等の取組を進めています。また、医師会等での説明会の開催や、文書や電話での連絡、面接懇談等の改善要請についても、現在、支部の取組に濃淡がみられますが、今後は、本部の主導により、底上げを図っていきます。

データヘルス改革への取組

 現在、国民の健康寿命の延伸や効率的・効果的な医療・介護サービスの提供を図るため、医療・介護・健康分野でのICTの利活用を進めるデータヘルス改革が進められています。支払基金は、2017年7月に、厚生労働省、国民健康保険中央会とともに「国民の健康確保のためのビッグデータ活用推進に関するデータヘルス改革推進計画」を策定しています。
 今回の法改正で、医療機関や薬局の窓口で、オンラインで保険加入資格を確認することが法律上原則的な資格確認の方法として位置づけられました。現在、支払基金は、国民健康保険中央会とともに準備を進めており、2021年3月以降はマイナンバーカードか個人別の被保険者番号を付した被保険者証を提示することで、医療機関等の窓口で、オンラインで資格確認できるようになります。併せて医療機関、薬局やマイナポータルで、レセプトの薬剤情報や特定健診等の情報が閲覧できるようになります。
 また、今回の法改正で、支払基金の新たな業務として、レセプト・特定健診等情報その他の国民の保健医療の向上及び福祉の増進に資する情報の収集、整理及び分析等に関する業務が追加され、国は、ナショナルデータベースや介護データベースとの連結解析、データの提供等に関する事務を支払基金に委託できるようになりました。
 支払基金は、保険者、医療機関との専用回線やレセプトデータの構造に関する知見等の有形無形の資産を蓄積してきていますので、それを活かし、今後は、効率的な医療・介護サービスの提供体制の構築や、それらのサービスの質の向上に係るデータの分析、活用支援についても取り組んでいきたいと考えています。また、保険者との意見交換を通じて、保険者が求めるようなデータヘルスのニーズに応える役割も果たしていきたいと考えています。

改革の実現に向けて

 支部を廃止し、職員が行うレセプト事務点検業務を全国10か所程度の審査事務センターに集約するためには、相当数の職員に審査事務センターに転勤してもらうことが必要となります。支払基金の職員に占める女性の割合は、現在52%ですが、若い年齢層では約6割となっています。現実問題として、育児や介護といった家庭生活での役割の多くを女性が担っている状況の下、組織見直しを実現していくためには、女性も男性も家庭生活と職業生活が両立できる職場環境の整備が不可欠となります。
 改革はこのように困難を伴うものですが、支払基金としては、これを、何でも言いたいことが言える風通しの良い組織風土に改革する好機、また、女性活躍の環境整備の好機と前向きに捉え、改革を本来の目的である審査結果の不合理な差異の解消など審査の質の充実に確実に結び付けていけるよう、組織を挙げて取り組んでまいります。そして、公正・中立な審査により日本の医療保険制度を支える審査支払の専門機関として、より一層、保険者、医療機関等の関係者の皆様、そして、広く国民の皆様から、信頼していただけるよう、改革の遂行に一身を捧げる決意であります。皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。

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