国民の皆様に信頼される専門機関となるよう、保険者と医療機関との間に立って公正に事業を運営すべき支払基金においては、コンプライアンスの徹底が極めて重要です。
「コンプライアンスの手引き」は、社会保険診療報酬支払基金基本理念等の趣旨を踏まえ、常にコンプライアンスを意識した業務を行うための資料として、職員用に策定したものです。この手引きは、職員一人ひとりが職務に従事する中でコンプライアンスに関して最低限理解すべき事項を簡潔に取りまとめた内容としています。
支払基金は、国民の皆様に信頼される専門機関として、診療報酬の「適正な審査」と「迅速な支払」を通じ、国民の皆様にとって大切な医療保険制度を支えていることを認識し、業務を遂行しなければならない。
職務上知得した秘密を故なく漏らしてはならない。
支払基金が取り扱っている情報は、個人の診療内容などのプライバシーに係る重要な個人情報等であることから、厳重に保護しなければならない。
支払基金は、個人情報の保護に関する法律、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律及び社会保険診療報酬支払基金特定個人情報取扱規程を遵守しなければならない。
支払基金の情報資産を保護するとともに、安定的かつ効率的な事業運営に資するため、情報セキュリティポリシーの厳格な運用により、情報セキュリティの確保、維持に努めなければならない。
支払基金における情報システムに係るデータを適切に保護及び管理し、データの滅失、漏えい等の防止を図り、情報処理の円滑化、個人の権利利益の保護に努めなければならない。
著作権、特許権その他の知的財産権を侵害してはならない。特に、著作権については、無意識のうちに侵害してしまうおそれがあるため、常に意識を持って、著作権の侵害の回避に努めなければならない。
審査実績や業務の実施状況について情報の開示を進めていくことにより、保険者や医療機関等の関係者そして国民の一層の理解を得るよう努めなければならない。
また、個別の審査結果についても関係者に十分理解を得るよう努めること。
加えて、保険者、医療機関等からの問い合わせや苦情等に迅速・適切に対応し、関係者からの声(意見)については、事業運営への的確な反映を図ること。
支払基金は、日本の医療保険制度において診療報酬の審査支払等の重要な役割を担うものであることから、基金の業務に対する信頼の確保のため、業務遂行に対する疑惑や不信を招くような行為は厳に慎まなければならない。
公益通報者を、公益通報をしたことを理由として、不当に取り扱ってはならない。
職場において、「セクシュアル・ハラスメント」、「パワー・ハラスメント」、「マタニティ・ハラスメント」、「パタニティ・ハラスメント」、「ケア・ハラスメント」及び「モラル・ハラスメント」等をしてはならない。
なお、勤務時間外や業務上関係のある外部の相手方、臨時職員等との関係においても十分注意しなければならない。
常に公私の別を明らかにし、その職務や地位を自らや自らの属する組織のための私的利益のために用いてはならない。
また、個人的な目的で資産や経費などを使用してはならない。
法令を遵守することは、当然のことであることを常に認識し、日常生活においても、善悪の判断を正しく行い、善良な市民として生活しなければならない。