画面審査のデモンストレーション
日本政府は2015年9月に発表した「平和と健康のための基本方針」の中でユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(以下「UHC」という。)の推進を政策目標や基本方針として掲げていますが、JICAも、他先進国に比べ低コストで世界一の長寿を達成した保健医療の歴史とシステムを有する日本の経験を踏まえ、貧困層を含むすべての人々が基本的なサービスにアクセスできるよう、国際社会とともにUHCの推進に取り組んでいます。
今回の各国の政府職員の方々の来訪は、UHC達成のための医療保障制度強化の一環として12月3日から14日までの間、厚生労働省、国立保健医療科学院等の方からの講義および市民病院、市役所などの視察で構成される研修プログラムとなっています。支払基金の訪問はそ
のプログラムの一部として健康保険のインフラストラクチャーを実地
で見学してもらうために行われました。
支払基金では、来訪された各国の政府職員の方々に制度構築や運営に活かしていただくため、日本の医療保険における診療報酬請求の審査制度の説明や、レセプト電算処理システムによる画面審査のデモンストレーションを行いました。各国政府職員の方々からは、減額査定された場合の医療費の流れや不正請求、また、コンピュータチェック等について多くの質問が寄せられ、活発な意見交換が行われました。
支払基金は今後も診療報酬の審査支払の専門機関として蓄積してきたノウハウをお伝えするなど、国民皆保険制度の構築などを進められている国々の政府関係者のお役に立てるよう積極的に協力してまいります。