最終更新日:2016年4月1日
支払基金が保険者の委託を受けて審査及び請求支払を実施するために必要な事務費については、保険者がレセプト件数を基準とする手数料で負担する仕組みとされています(支払基金法第26条)。
したがって、保険者のほか、医療機関に対しても、手数料の負担を求める仕組みとするかどうかは、支払基金法の改正を必要とする審査支払制度の見直しに関する論点の一つとして、保険者及び診療担当者を始めとする関係者相互間で議論して成案を得るべき問題です。
なお、現行の仕組みは、委託者が受託者に対して手数料を支払う、という考え方に基づくものでないか、と考えています。
現行の制度を前提とすると、医療機関に係るコストは、終局的には、保険者によって負担される診療報酬で賄われます。
したがって、仮に、保険者のほか、医療機関に対しても、手数料の負担を求める仕組みとしても、医療機関によって負担される手数料は、終局的には、保険者によって負担される診療報酬で賄われるため、実質的な意義に乏しいのでないか、と考えています。
また、現行では、毎年度の手数料について、保険者団体と協議した結果に基づき、支払基金の収支予算に係る認可の権限を有する厚生労働省の了解を得る取扱いとしています。
しかしながら、仮に、保険者のほか、医療機関に対しても、手数料の負担を求める仕組みとすると、毎年度の手数料について、利害が相互に対立する保険者団体及び診療担当者団体との間でそれぞれ合意を得ることは、困難となるのでないか、と考えています。
したがって、保険者のほか、医療機関に対しても、手数料の負担を求める仕組みとするためには、厚生労働省が中立の立場で毎年度の手数料を公定する等の仕組みを検討することが必要となるのではないか、と考えています。