最終更新日:2016年4月1日
支払基金は、月間で約7千4百万件、年間で約8億9千万件に達するレセプトについて、審査を実施するほか、約22万7千箇所の医療機関と約1万3千箇所の保険者との間で請求支払を実施しています。
したがって、支払基金の費用対効果を評価するに当たっては、審査のみならず請求支払も勘案することが適当です。
また、審査は、保険診療ルールに適合する診療行為の確保のためのものであって、専ら査定を通じた医療費の適正化を目的とするものではありません。
このような審査に対する関係者の信頼を確保するためには、査定に現れない審査の意義の見える化を図ることが重要です。
これを踏まえ、平成23年度フォローアップでは、
① ASP(注釈14)
② コンピュータチェック
③ 審査委員による医療機関に対する連絡、懇談等での改善要請
について、レセプトの適正化に資する効果を定量的に示しました。
加えて、今後、
① 職員による医療機関に対する連絡、懇談等での改善要請
② 審査情報提供事例の公表
について、レセプトの適正化に資する効果を定量的に示すための方策のほか、ピアレビュー(注釈15)を実施する審査委員会の存在がそれ自体で医療機関による不適正なレセプトの提出を抑止する効果を定量的に示すための方策を検討します(参考23)。
ASP(Application Service Provider)とは、サーバにインストールされたアプリケーションをインターネットで提供するサービスをいう。具体的には、支払基金では、医療機関によってオンラインで提出される電子レセプトを受け付ける段階で記録漏れ等に関する事務点検を実施することが可能である。
ピアレビューとは、同業の専門家による公正な評価をいう。