395 ジゴキシン(産婦人科11)

最終更新日:2024年9月30日

《令和6年9月30日新規》

標榜薬効(薬効コード)

 強心剤(211)

成分名

 ジゴキシン【内服薬・注射薬】

主な製品名

 ジゴシン注0.25mg、ジゴキシン錠0.125mg、同0.25mg

承認されている効能・効果

・ 次の疾患に基づくうっ血性心不全(肺水腫、心臓喘息等を含む) 
  先天性心疾患、弁膜疾患、高血圧症、虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症等)、肺性心(肺血栓・塞栓症、
 肺気腫、肺線維症等によるもの)、その他の心疾患(心膜炎、心筋疾患等)、腎疾患、甲状腺機能亢進症
 ならびに低下症等
・ 心房細動・粗動による頻脈
・ 発作性上室性頻拍
・ 次の際における心不全及び各種頻脈の予防と治療
  手術、急性熱性疾患、出産、ショック、急性中毒

承認されている用法・用量

(1) ジゴキシン錠0.125mg、同0.25mg

    ジゴキシンとして通常成人に対して

    1.急速飽和療法(飽和量:1.0~4.0mg)

     初回0.5~1.0mg、以後0.5mgを6~8時間ごとに経口投与し、十分効果のあらわれるまで続ける。

    2.比較的急速飽和療法を行うことができる。

    3.緩徐飽和療法を行うことができる。

    4.維持療法

     1日0.25~0.5mgを経口投与する。


    ジゴキシンとして通常小児に対して

    1.急速飽和療法

     2歳以下:1日0.06~0.08mg/kgを3~4回に分割経口投与する。

     2歳以上:1日0.04~0.06mg/kgを3~4回に分割経口投与する。

    2.維持療法

     飽和量の1/5~1/3量を経口投与する。


(2) ジゴシン注0.25mg

    ジゴキシンとして通常成人に対して

    1.急速飽和療法(飽和量:1.0~2.0mg)

     1回0.25~0.5mgを2~4時間ごとに静脈内注射し、十分効果のあらわれるまで続ける。

    2.比較的急速飽和療法を行うことができる。

    3.緩徐飽和療法を行うことができる。

    4.維持療法

     1日0.25mgを静脈内注射する。


    ジゴキシンとして通常小児に対して

    1.急速飽和療法

     新生児、未熟児:1日0.03~0.05mg/kgを3~4回に分割、静脈内又は筋肉内注射する。

     2歳以下:1日0.04~0.06mg/kgを3~4回に分割、静脈内又は筋肉内注射する。

     2歳以上:1日0.02~0.04mg/kgを3~4回に分割、静脈内又は筋肉内注射する。

    2.維持療法

     飽和量の1/10~1/5量を静脈内又は筋肉内注射する。

薬理作用

 Na/Kポンプ遮断作用

使用例

 原則として、「ジゴキシン【内服薬】・【注射薬】」を「胎児頻脈性不整脈(持続して胎児心拍数180bpm以上となる上室頻拍又は心房粗動)」に対して処方・使用した場合、当該使用事例を審査上認める。

使用例において審査上認める根拠

 薬理作用が同様であり、妥当と推定される。

留意事項

(1) 当該使用例の用法・用量
   1.急速飽和療法
    ジゴキシン内服薬1.0mgを2回に分割経口投与、もしくは、ジゴキシン注射薬1.0㎎を初回0.5mg、
   8時間毎に0.25mgを2回に分割静脈投与する。
   2.維持療法
    ジゴキシン内服薬1日0.75mgを3回に分割経口投与する。母体血中濃度が1.52.0ng/mLになるよう
   に適宜増減する。
(2) 母体及び胎児への安全性が担保できる施設においてのみ投与すること。
(3) 当該使用例の対象となる妊娠週数は、国内臨床試験で有効性及び安全性が確認された妊娠22週以上37
   週未満とする。

その他参考資料等

(1) 日本小児循環器学会 胎児心エコー検査ガイドライン(第2版)2021
(2) American Heart Association 胎児心疾患の診断と治療ステイトメント2014

お問い合わせ

審査統括部 内科審査課、外科・混合審査課

〒105-0004 東京都港区新橋二丁目1番3号

電話:03-3591-7441