最終更新日:2022年2月28日
《令和4年2月28日新規》
他に分類されない代謝性医薬品(399)
タクロリムス水和物【内服薬】
プログラフカプセル0.5㎎、プログラフカプセル1㎎、
プログラフ顆粒0.2mg、プログラフ顆粒1mg、他後発品あり
(1) プログラフカプセル0.5㎎、プログラフカプセル1㎎
〇下記の臓器移植における拒絶反応の抑制
腎移植、肝移植、心移植、肺移植、膵移植、小腸移植
〇骨髄移植における拒絶反応及び移植片対宿主病の抑制
〇重症筋無力症
〇関節リウマチ(既存治療で効果不十分な場合に限る)
〇ループス腎炎(ステロイド剤の投与が効果不十分、又は副作用により困難な場合)
〇難治性(ステロイド抵抗性、ステロイド依存性)の活動期潰瘍性大腸炎(中等症~重症に限る)
〇多発性筋炎・皮膚筋炎に合併する間質性肺炎
(2) プログラフカプセル5㎎
〇下記の臓器移植における拒絶反応の抑制
腎移植、肝移植、心移植、肺移植、膵移植、小腸移植
〇骨髄移植における拒絶反応及び移植片対宿主病の抑制
〇難治性(ステロイド抵抗性、ステロイド依存症)の活動期潰瘍性大腸炎(中等症~重症に限る)
(3) プログラフ顆粒0.2㎎、プログラフ顆粒1㎎
〇下記の臓器移植における拒絶反応の抑制
腎移植、肝移植、心移植、肺移植、膵移植、小腸移植
〇骨髄移植における拒絶反応及び移植片対宿主病の抑制
〇重症筋無力症
(1) プログラフカプセル0.5㎎、プログラフカプセル1㎎
ア 腎移植の場合
通常、移植2日前よりタクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与する。術後初期にはタクロリ
ムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与し、以後、徐々に減量する。維持量は1回0.06mg/kg、1日2回
経口投与を標準とするが、症状に応じて適宜増減する。
イ 肝移植の場合
通常、初期にはタクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与する。以後、徐々に減量し、維持量
は1日量0.10mg/kgを標準とするが、症状に応じて適宜増減する。
ウ 心移植の場合
通常、初期にはタクロリムスとして1回0.03~0.15mg/kgを1日2回経口投与する。また、拒絶反応発現後
に本剤の投与を開始する場合には、通常、タクロリムスとして1 回0.075~0.15mg/kgを1日2回経口投与
する。以後、症状に応じて適宜増減し、安定した状態が得られた後には、徐々に減量して有効最少量で維持
する。
エ 肺移植の場合
通常、初期にはタクロリムスとして1回0.05~0.15mg/kgを1日2回経口投与する。以後、症状に応じて適
宜増減し、安定した状態が得られた後には、徐々に減量して有効最少量で維持する。
オ 膵移植の場合
通常、初期にはタクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与する。以後、徐々に減量して有効最
少量で維持する。
カ 小腸移植の場合
通常、初期にはタクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与する。以後、徐々に減量して有効最
少量で維持する。
キ 骨髄移植の場合
通常、移植1日前よりタクロリムスとして1回0.06mg/kgを1日2回経口投与する。移植初期にはタクロリ
ムスとして1回0.06mg/kgを1日2回経口投与し、以後、徐々に減量する。また、移植片対宿主病発現後に
本剤の投与を開始する場合には、通常、タクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与する。なお、
症状に応じて適宜増減する。
なお、本剤の経口投与時の吸収は一定しておらず、患者により個人差があるので、血中濃度の高い場合の副作用並びに血中濃度が低い場合の拒絶反応及び移植片対宿主病の発現を防ぐため、患者の状況に応じて血中濃度を測定し、トラフレベル(trough level)の血中濃度を参考にして投与量を調節すること。特に移植直後あるいは投与開始直後は頻回に血中濃度測定を行うことが望ましい。なお、血中トラフ濃度が20ng/mLを超える期間が長い場合、副作用が発現しやすくなるので注意すること。
ク 重症筋無力症の場合
通常、成人にはタクロリムスとして3mgを1日1回夕食後に経口投与する。
ケ 関節リウマチの場合
通常、成人にはタクロリムスとして3mgを1日1回夕食後に経口投与する。なお、高齢者には1.5mgを
1日1回夕食後経口投与から開始し、症状により1日1回3mgまで増量できる。
コ ループス腎炎の場合
通常、成人にはタクロリムスとして3mgを1日1回夕食後に経口投与する。
サ 潰瘍性大腸炎の場合
通常、成人には、初期にはタクロリムスとして1回0.025mg/㎏を1日2回朝食後及び夕食後に経口投与
する。以後2週間、目標血中トラフ濃度を10~15ng/mLとし、血中トラフ濃度をモニタリングしながら投与
量を調節する。投与開始後2週以降は、目標血中トラフ濃度を5~10ng/mLとし投与量を調節する。
シ 多発性筋炎・皮膚筋炎に合併する間質性肺炎の場合
通常、成人には、初期にはタクロリムスとして1回0.0375mg/kgを1日2回朝食後及び夕食後に経口投与
する。以後、目標血中トラフ濃度を5 ~10ng/mLとし、血中トラフ濃度をモニタリングしながら投与量を
調節する。
(2) プログラフ顆粒0.2㎎、プログラフ顆粒1㎎
ア 腎移植の場合
通常、移植2日前よりタクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与する。術後初期にはタクロリ
ムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与し、以後、徐々に減量する。維持量は1回0.06mg/kg、1日2回
経口投与を標準とするが、症状に応じて適宜増減する。
イ 肝移植の場合
通常、初期にはタクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与する。以後、徐々に減量し、維持量
は1日量0.10mg/kgを標準とするが、症状に応じて適宜増減する。
ウ 心移植の場合
通常、初期にはタクロリムスとして1回0.03~0.15mg/kgを1日2回経口投与する。また、拒絶反応発現後
に本剤の投与を開始する場合には、通常、タクロリムスとして1 回0.075~0.15mg/kgを1日2回経口投与
する。以後、症状に応じて適宜増減し、安定した状態が得られた後には、徐々に減量して有効最少量で維持
する。
エ 肺移植の場合
通常、初期にはタクロリムスとして1回0.05~0.15mg/kgを1日2回経口投与する。以後、症状に応じて
適宜増減し、安定した状態が得られた後には、徐々に減量して有効最少量で維持する。
オ 膵移植の場合
通常、初期にはタクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与する。以後、徐々に減量して有効最
少量で維持する。
カ 小腸移植の場合
通常、初期にはタクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与する。以後、徐々に減量して有効最
少量で維持する。
キ 骨髄移植の場合
通常、移植1日前よりタクロリムスとして1回0.06mg/kgを1日2回経口投与する。移植初期にはタクロリ
ムスとして1回0.06mg/kgを1日2回経口投与し、以後、徐々に減量する。また、移植片対宿主病発現後に
本剤の投与を開始する場合には、通常、タクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与する。なお、
症状に応じて適宜増減する。
なお、本剤の経口投与時の吸収は一定しておらず、患者により個人差があるので、血中濃度の高い場合の副作用並びに血中濃度が低い場合の拒絶反応及び移植片対宿主病の発現を防ぐため、患者の状況に応じて血中濃度を測定し、トラフレベル(trough level)の血中濃度を参考にして投与量を調節すること。特に移植直後あるいは投与開始直後は頻回に血中濃度測定を行うことが望ましい。なお、血中トラフ濃度が20ng/mLを超える期間が長い場合、副作用が発現しやすくなるので注意すること。
ク 重症筋無力症の場合
通常、成人にはタクロリムスとして3mgを1日1回夕食後に経口投与する。
サイトカイン産生抑制及びそれに伴う免疫抑制作用
原則として、「タクロリムス水和物【内服薬】」を「若年性特発性関節炎」に対して処方した場合、当該使用事例を審査上認める。
薬理作用が同様であり、妥当と推定される。
(1) 当該使用例の用法・用量
通常、タクロリムスとして1日0.05~0.15mg/kgを1日1回夕食 後に経口投与する。関節リウマチに対
する上限量3㎎を超えないものとする。
(2) 難治例や既存治療で効果不十分な場合に限り認める。
(3) 顆粒とカプセルの生物学的同等性は検証されていない。
(4) 若年性特発性関節炎治療に精通している医師が使用する。
(5) 薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される薬剤との併用で血中濃度が上昇する。
(6) 免疫抑制作用を有する薬剤との併用で、過度の免疫抑制による感染症やリンパ腫の発症に注意する。