最終更新日:2020年10月26日
《令和2年10月26日新規》
放射性医薬品(430)
放射性医薬品基準ピロリン酸テクネチウム(99mTc)注射液 調製用【注射薬】
テクネピロリン酸キット
(1)心シンチグラムによる心疾患の診断
(2)骨シンチグラムによる骨疾患の診断
(1)心シンチグラフィー
本品を冷蔵庫から取り出し室温に戻した後、日局「生理食塩液」2~4mL を加え、よく振り混ぜた後、約半量を被検者に静注し、約30分後に放薬基「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」370~740MBqを静注し、シンチレーションスキャナー又はシンチレーションカメラを用いて静注直後より速やかにディテクターを体外より胸部に向けて撮影することによりRIアンギオカルジオグラムを得、またRIアンギオカルジオグラフィー終了後に撮影することにより心プールシンチグラムを得る。
(2)骨シンチグラフィー
本品を冷蔵庫から取り出し室温に戻した後、放薬基「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」1~9mLを加えよく振り混ぜた後、室温に5分間放置する。
調製されたピロリン酸テクネチウム(99mTc)注射液185~555MBqを被検者に静注し、1~ 6時間後にシンチレーションスキャナー又はシンチレーションカメラを用いてディテクターを体外より骨診断箇所に向けて走査又は撮影することにより骨シンチグラムを得る。
(1)心シンチグラフィ
Sn-ピロリン酸は赤血球表面に99mTc との結合を可能とする準備状態を作り、その後99mTcO4-を投与すると、30分後には標識率は96%になり5時間経過しても標識率は低下せずかえって上昇する傾向が認められる。
99mTcの尿中への排泄は3時間後までで投与量の10%であり、その大部分は初期に排泄される。
(2)骨シンチグラフィ
99mTc-ピロリン酸の集積は静注後正常骨部で3時間後に、また病変骨部で4時間前後にピークを示し、病変骨部は正常骨部に比して緩やかに減少する。また正常骨部に対する病変骨部の集積比は1.1~23.1の範囲である。
原則として、「放射性医薬品基準ピロリン酸テクネチウム(99mTc)注射液 調製用【注射薬】」を「心シンチグラムによる心疾患の診断」目的で骨シンチグラムと同様の用法により使用した場合、当該使用事例を審査上認める。
薬理作用に基づいており、妥当と推定される。
(1)心アミロイドーシス、急性心筋梗塞等、心シンチグラムによる診断が有用な症例において使用されるべきであること。
(2)当該使用例の用法・用量
本品を冷蔵庫から取り出し室温に戻した後、放薬基「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」1~9mLを加え良く振り混ぜた後、
室温に5分間放置する。
調製されたピロリン酸テクネチウム(99mTc)注射液370~740MBqを被検者に静注し、1~6時間後にシンチレーションカメラを用いて胸部を撮影することにより心シンチグラムを得る。
心臓核医学検査ガイドライン(2010 年改訂版)
急性冠症候群ガイドライン(2018 年改訂版)
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017 年改訂版)
心筋症診療ガイドライン(2018 年改訂版)