最終更新日:2016年4月1日
《平成23年9月26日新規》
《平成26年9月22日更新》
血管拡張剤(217)
ベラパミル塩酸塩【内服薬】
ワソラン錠、他後発品あり
頻脈性不整脈(心房細動・粗動、発作性上室性頻拍)、狭心症、心筋梗塞(急性期を除く。)、その他の虚血性心疾患
本薬の作用機序は、細胞外液Ca++の細胞内流入阻止に基づくCa++拮抗作用である。
本剤を虚血性心疾患患者に経口投与した場合、血圧を緩徐に降下させ、心拍数も軽度に減少させる。その結果、心仕事量が軽減し、心筋酸素消費量も抑制される。
イヌ摘出心筋や麻酔イヌを用いた実験において、冠状動脈を含む血管平滑筋の興奮-収縮連関を抑制し、冠血流量を増加し、末梢血管抵抗を減少する。
虚血、高血圧、過剰の細胞内遊離Ca++の存在、過剰のカテコールアミンによって惹起される心筋細胞内ATPの欠乏に基づく心筋の変性に対し、本薬はこれら種々の心筋変性誘発因子に拮抗して心筋変性を抑制し、心筋を保護することがラットやウサギで確認されている。
モルモット及びウサギの摘出心筋を用いた実験において、slow channelを通るCa++の流入を抑制することが確認されている。また、麻酔イヌを用いた実験で、特に房室結節に作用して房室伝導系の有効不応期、機能的不応期を延長させ、房室伝導を遅延させる。
(1) イヌ摘出心筋を用いた実験において、ノルアドレナリンの房室結節への局所投与によって誘発される上室性頻拍を消失又は著明に軽減する。
(2) 麻酔イヌを用いた実験において、電気刺激によって誘発された心房細動時の心室レートを減少させる。
原則として、「ベラパミル塩酸塩【内服薬】」を「ベラパミル感受性心室頻拍」、「片頭痛」、「群発性頭痛」に対して処方した場合、当該使用事例を審査上認める。
薬理作用が同様と推定される。