349 クロファジミン①(結核・非結核性抗酸菌症2)

最終更新日:2021年9月27日

《令和3年9月27日新規》

標榜薬効(薬効コード)

 抗ハンセン病剤(623)

成分名

 クロファジミン【内服薬】

主な製品名

 ランプレンカプセル50mg

承認されている効能・効果

<適応菌種>
  本剤に感性のらい菌
<適応症>
  ハンセン病

承認されている用法・用量

<ハンセン病(多菌型)>
  通常成人には、クロファジミンとして50mgを1日1回または200mg~300mgを週2~3回に分割して、
 食直後に経口投与する。年齢・症状により適宜増減する。
  投与期間は最低2年とし、可能であれば皮膚塗抹陰性になるまで投与すること。
  原則として、他剤と併用して使用すること。
<ハンセン病(らい性結節性紅斑)>
  通常成人には、クロファジミンとして100mgを1日1回、食直後に経口投与する。らい反応が安定した
 場合には100mgを週3回に減量する。
  投与期間は3ヵ月以内とする。

薬理作用

 抗菌作用

使用例

 原則として、「クロファジミン【内服薬】」を「Mycobacterium abscessus症」に対して処方した場合、当該使用事例を審査上認める。

使用例において審査上認める根拠

 薬理作用が同様であり、妥当と推定される。

留意事項

(1)当該使用例の用法・用量
 通常成人には、クロファジミンとして100mgを1日1回、食直後に経口投与する。
 小児には、クロファジミンとして2~3㎎/㎏、上限100㎎を1日1回、食直後に経口投与する。
(2)本剤投与に当たっては、日本結核・非結核性抗酸菌症学会の結核・抗酸菌症指導医にコンサルトを行う
 こと。
(3)本薬剤を投与する場合は、Mycobacterium abscessus症に十分な治療経験がある医師による投薬
 が必要である。
(4)皮膚着色について患者に説明し、十分な理解を得ること。
(5)本剤の使用に当たっては、耐性菌の発現等を防ぐため、次の点に注意すること。
 ア 感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導のもとで行うこと。
 イ 原則として他の抗菌薬及び本剤に対する感受性(耐性)を確認すること。
 ウ 本薬剤の投与歴から耐性が強く疑われる場合は、有効薬剤と判断し安易に使用しないこと。
 エ 投与期間は、感染部位、重症度、患者の状態等を考慮し、適切な時期に、本剤の継続投与が必要か
  判断し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
 オ 単剤投与は行わないこと。
(6)次の患者には慎重に投与すること。
 ア 胃腸障害(頻回の下痢・腹痛等)のある患者:症状を悪化させるおそれがある。
 イ 抑うつ状態などの精神疾患のある患者:本剤服用による皮膚の着色で、抑うつ症状/自殺企図を生じる
  可能性があるので、患者の精神状態に十分注意すること。
 ウ 肝機能障害のある患者:薬剤は一部肝代謝されるため注意して使用し、高度肝機能障害例では減量の
  検討が必要であること。
 エ 重篤な心疾患(不整脈、虚血性心疾患)のある患者:QT延長を起こすことがある。
(7)QT延長を起こすことが知られている抗結核薬(ベダキリン・デラマニド・レボフロキサシン等)との併用
 においては、QT延長作用が相加的に増加するおそれがあるため、定期的に心電図検査を実施すること。
(8)小児へ投与する際は、次の点に注意すること。
 ア 本剤に過去にアレルギー症状を生じた患者には、投与を行わないこと。
 イ 成人に対する副作用が小児でどのように発現するか、本邦での報告はないため、慎重に投与を行うこと。
 ウ 本邦での投与例は小児では報告がないため、本剤の投与が患者にとって真に利益がある時のみ投与を
  行うこと。
 エ 本剤を投与する前には、患者及び保護者に副作用について説明を行い、十分な理解を得ておくこと。
  特に皮膚着色については中止してから改善までの期間に個人差があるため、学齢期という心身成長期で
  あることに鑑み、繰り返し説明を行うこと。
 オ 投与前に心電図検査を行いQTc500msec以上の患者には投与を行わないこと。
 カ 本剤投与中は月に1回心電図検査を行うこと。

お問い合わせ

審査統括部 内科審査課、外科・混合審査課、歯科審査課

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