疑問2 【コンピュータシステム関連経費の縮減】コンピュータシステム関連経費の縮減のための取組みが不十分ではないか。
最終更新日:2016年4月1日
【ポイント】
- かねてより、
① 第三者機関による監査の実施
② 民間企業でコンピュータシステムに関するコンサルティング等を経験したシステム専門役をリーダーとするITガバナンスチームの活用
など、コンピュータシステム関連経費の縮減に取り組んできたところ。 - 平成23年度フォローアップでは、総コストの削減に向けた業務の改善のための取組みに基づく成果の事例として、コンピュータシステム関連経費の縮減に関しても、9件を盛り込んだところ。
- 今後とも、予算の編成及び執行の各段階でのコンピュータシステム関連経費の縮減を更に徹底。そのための取組みの成果を可能な限り定量的に示すための方策について、検討。
1 レセプトの電子化の進展に伴うコスト構造の変化
近年、レセプトの電子化が進展する中で、コスト構造が変化しています。
一方では、紙レセプトの減少に伴う請求支払に係る業務量の減少に応じ、給与諸費及び委託経費を縮減してきました(参考5及び参考6)。他方では、ITを最大限に活用して審査及び請求支払を効果的かつ効率的に実施するため、コンピュータシステムの開発及び運用のために必要な経費を確保してきました。
具体的には、平成23年度予算を平成13年度予算と比較すると、給与諸費は、▲150億円(▲27.1%)となっているのに対し、コンピュータシステム関連経費は、+94億円(+134.3%)となっています(参考7)。
このような中で、支払基金の事業運営に対する関係者の信頼を確保するためには、コンピュータシステム関連経費の縮減のための取組みの見える化を図ることが重要です。
2 従前の取組み
支払基金では、かねてより、コンピュータシステム関連経費の縮減に取り組んできました(注釈4)。
すなわち、平成15年度以降、コンピュータシステム関連経費に係る第三者機関による監査(参考8)を実施してきました。
また、平成22年4月、民間企業でコンピュータシステムに関するコンサルティング等を経験した者をシステム専門役として採用しました。
加えて、コンピュータシステムの企画、開発及び運用に関する業務を支援するため、平成23年4月、システム専門役をリーダーとするITガバナンスチームを本部に設置しました。
これを活用することにより、
① 平成23年4月以降、日常的なコンピュータシステムの開発に際し、各機能の内容に応じて点数を重み付けし、それに基づいて工数等の規模の見える化を図る、というファンクションポイント法を段階的に導入する
② 平成23年10月以降、コンピュータシステム担当職員を対象としてITに関する技能の向上を図るための研修を実施する
等の措置を講じています。
さらに、平成23年度フォローアップでは、総コストの削減に向けた業務の改善のための取組みに基づく成果の事例として、コンピュータシステム関連経費の縮減に関しても、次に掲げる9件を盛り込みました。
① コンピュータシステムにおける帳票の見直し(参考9)
② 2以上のコンピュータシステムの開発に係る実施時期の調整(参考10)
③ オンライン請求で使用されるパソコンの動作環境の拡大に係る実施時期の調整(参考11)
④ オンライン請求のセットアップに係る操作手順書の電子化(参考12)
⑤ 支払基金メールマガジンの方式の見直し(参考13)
⑥ 審査参考情報システムの見直し(参考14)
⑦ 地方単独医療費助成事業の受託に伴う請求支払計算システムの改修の見直し(参考15)
⑧ 特別審査委員会に係る画面審査システムの機能の限定(参考16)
⑨ 医療機関別の平均決定点数に関する統計の作成の見直し(参考17)
なお、次期の医療事務電算システムの機器更新については、支払基金サービス向上計画では、平成24年度中を目途とするものとしていましたが、その後、平成17年10月~平成24年9月とされている現行の医療事務電算システムの開発及び運用に係るアウトソーシングサービスに関する契約を延長することにより、平成25年度中を目途とするものとしました。
これにより、経費の見積りを精査するほか、
① 医科分、歯科分及び調剤分のそれぞれに分散されたサーバを統合するなど、経費を最小化するために適切な機器構成
② ハードウェアの設置及び保守、ソフトウェアの開発及び保守、運用管理サービス(注釈5)、センターホスティングサービス(注釈6)等を分離するなど、経費を最小化するために適切な調達方法
を検討するために十分な時間を確保しました。
加えて、手続の透明性の向上を図るため、平成23~25年度の間、順次、第三者機関による監査を実施します。
3 今後の取組み
支払基金では、今後とも、予算の編成及び執行の各段階でのコンピュータシステム関連経費の縮減を更に徹底します。
その一環として、コンピュータシステムの開発に関するマネジメントを徹底するため、平成24年度以降、コンピュータシステムの開発に関する予算の執行の状況を月次で経営企画会議(注釈7)に報告する取扱いとします。
また、コンピュータシステム関連経費の縮減のための取組みについて、従前、見える化を図る努力が不十分であったことを率直に反省し、今後、より一層、情報公開を進め、説明責任を果たします。
具体的には、公正な競争の確保のための契約手続の適正化にも十分に留意しながら、コンピュータシステム関連経費の縮減のための取組みの成果を可能な限り定量的に示すための方策について、検討します。
注釈4
基本的には、新規のコンピュータシステムの開発については、一般競争契約による取扱いとしているのに対し、既存のコンピュータシステムの改修及び運用については、随意契約によらざるを得ないが、その締結状況を支払基金ホームページで公開する取扱いとしている。
注釈5
運用管理サービスとは、コンピュータシステムの操作、監視等の技術支援を実施するサービスをいう。
注釈6
センターホスティングサービスとは、コンピュータの設置場所を提供するサービスをいう。
注釈7
経営企画会議とは、理事長を含む公益代表理事及び常任顧問並びに審議役、総務部長、経理部長、経営企画部長及び事業統括部長によって構成される会議であって、事業運営に関する基本方針を検討するものをいう。
【参考5】
【参考6】
【参考7】
【参考8】
【参考9】
【参考10】
【参考11】
【参考12】
【参考13】
【参考14】
【参考15】
【参考16】
【参考17】
お問い合わせ
経営企画部 政策統括課
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