「支払基金をめぐる疑問にお答えします」
支払基金は、診療報酬の「適正な審査」及び「迅速な支払」を通じ、国民の皆様にとって大切な医療保険制度を支える使命を負っています。
当基金の事業運営に対しては、保険者及び医療機関を始めとする国民の皆様より、一定の評価を受けながらも、様々な指摘を頂いています。これらについては、真摯に受け止めて改善に努力していますが、中には、誤解に基づくものも少なくありません。
支払基金としては、従前、自らの事業運営を分かりやすく説明する努力が不十分であったことを率直に反省し、今後、より一層、情報公開を進め、説明責任を果たしてまいります。
このことを踏まえ、今後、当基金の事業運営等に対するご指摘・ご意見に関する当基金の考え方等を公表してまいります。
- 疑問1 支払基金における審査は、コンピュータチェックと職員による審査事務だけで十分ではないか。
- 疑問2 保険者に対してレセプト点検を実施する事務処理負担を軽減するとともに、医療機関等に対して適正なレセプトの提出を促進するため、審査の基準を公開する取扱いとすべきではないか。
- 疑問3 保険者においては、支払基金で審査したレセプトを再度点検しており、その軽減を図るため、支払基金でコンピュータチェックした項目等をレセプト上に表示できないか。
- 疑問4 支払基金が公表している審査情報提供事例については、認める事例が大半ではないか。
- 疑問5 事業仕分け等で議論されている審査支払機関の統合について、支払基金としてはどのように考えているのか。
- 疑問6 審査支払機関の統合について議論されているが、国保連及び支払基金自らも効率化を図るべく共同できるものについては、互いに努力すべきではないか。
- 疑問7 審査においては、診療行為が保険診療ルールに適合しているかをもって支払基金で査定を行っていると思うが、なぜ、医療機関に対して返戻を行うのか。
- 疑問8 柔道整復術に係る療養費支給申請書は委任払い方式が採用されており、直接保険者へ請求されることから、点検及び支払に労力を費やす。診療報酬明細書同様に支払基金で取り扱ってほしい。
- 疑問9 支払基金は、法律によって支出経費をレセプト枚数で除して得た額を保険者からの手数料としていることから、赤字になることはない。こういった背景から効率的な事業運営がされていないのではないか。
- 疑問10 支払基金の給料は、国家公務員より高いとの報道がされたが実態はどうか。
- 疑問1 【審査支払業務の手数料に係る積算根拠の提示】審査支払業務の手数料について、積算根拠を明らかにすべきでないか。
- 疑問2 【コンピュータシステム関連経費の縮減】コンピュータシステム関連経費の縮減のための取組みが不十分ではないか。
- 疑問3 【手数料体系の見直しの前後でのレセプトの区分ごとのレセプト1件当たりの手数料の比較】平成24年度における審査支払業務に係る手数料体系の見直しは、調剤分に係るレセプト件数の増加が見込まれる中で、突合点検及び縦覧点検の開始を理由として調剤分に係るレセプト1件当たりの手数料を引き上げようとするものでないか。
- 疑問4 【手数料体系の見直しの前後での医療保険の保険者及び公費負担医療の実施機関の手数料負担の比較】平成24年度における審査支払業務に係る手数料体系の見直しは、手数料負担の一部を公費負担医療の実施機関から医療保険の保険者へ転嫁しようとするものでないか。
- 疑問5 【単独レセプトと併用レセプトとの区分を前提とする手数料の算定】併用レセプトについて、単独レセプトと区分して手数料を算定する取扱いとすべきでないか。
- 疑問6 【医療機関による手数料の負担】保険者のほか、医療機関に対しても、手数料の負担を求める仕組みとすべきでないか。
- 疑問7 【調剤レセプトに係る直接の審査及び支払に伴う審査に関する意見の提出及び債権債務の決済処理に係る手数料の算定】調剤レセプトに係る健康保険組合による直接の審査及び支払に伴う支払基金による審査に関する意見の提出及び債権債務の決済処理に係る手数料については、通常の審査及び請求支払に係る手数料と同程度の水準で算定する取扱いとすべきでないか。
- 疑問8 【レセプト電子データ提供事業の趣旨】レセプト電子データ提供事業は、医療機関によって無償で提出されたレセプトのデータを有償で保険者に提供して利益を得ようとするものでないか。
- 疑問9 【レセプト電子データ提供事業の利用料の取扱い】再審査の段階でのレセプトの返戻に際しては、レセプト電子データ提供事業の利用料についても、審査支払業務の手数料と同様に、保険者に還付する取扱いとすべきでないか。
- 疑問10 【査定に現れない審査の意義】平成22年度決算では、審査支払業務の事務費が828.3億円に達しているのに対し、平成22年5月~平成23年4月審査分では、原審査での査定が246.5億円、再審査での査定が56.0億円にとどまっている。このような支払基金は、費用対効果に乏しいのでないか。
- 疑問11 【諸外国における診療報酬の審査等に関する調査の必要性】支払基金が諸外国における診療報酬の審査等に関する調査を実施する必要性は、乏しいのでないか。
- 疑問1 【審査支払機関の事業運営の効率性に関する比較】日本の支払基金については、韓国の健康保険審査評価院と比較すると、事業運営が非効率ではないか。
- 疑問2 【審査におけるコンピュータチェックに関する比較】韓国の健康保険審査評価院では、レセプトが完全に電子化されることにより、全レセプトのうち、審査をコンピュータチェックで完結するものの比率は、約9割に達している。日本の支払基金でも、レセプトの電子化に伴い、コンピュータチェックの充実を通じた審査の効率化が可能ではないか。
- 疑問3 【審査事務における看護師の活用に関する比較】韓国の健康保険審査評価院では、審査職員の大半が看護師となっている。日本の支払基金でも、審査事務に従事する職員として看護師を活用すべきでないか。
- 疑問4 【レセプトの電子化と医療費の動向との関係に関する比較】韓国では、レセプトが完全に電子化されたことにより、医療費が相当程度削減されたのではないか。日本でも、レセプトの電子化に伴い、審査の充実を通じた医療費の削減が可能ではないか。
- 疑問1 支払基金においては、高コスト体質が改善されていないのではないか。
- 疑問2 支払基金は、審査を一定の類型に属するレセプトに重点化しているが、審査を実施しないレセプトについても、手数料を徴収する取扱いは、適切でないのでないか。
- 疑問3 レセプトごとの審査の濃淡にかかわらず、一律にレセプト1件当たりの手数料を設定すると、審査の充実に対するインセンティブが働かないのではないか。
- 疑問4 支払基金は、審査委員会の独立性を主張してきたが、審査委員会を管理する能力を有しないのであれば、存在意義を欠くのでないか。
- 疑問5 支払基金から保険者への診療報酬の請求においては、原審査における査定の状況が不明ではないか。